2017年1月17日火曜日

“投機”本に騙されるな!!

世の中には星の数ほどの投資本がありますが,ほとんどは一攫千金を求めて「丁半博打」をする“投機”本の類です.その中にあって地に足のついた投資本を厳選します.


トランプラリーの影響か,本屋の投資関連書籍が賑わいを見せていますね.
ただ「〇〇株で◯億円」や「この銘柄をかえ!」のような一発屋の本がほとんどであり,冷静に考えるなら,「上がる銘柄がわかるならこの著者が自分で投資すれば良い」「もしそれほどの先見の明があるなら,今頃バフェットさんのように有名人なっているはず」となり,これらは「丁半博打」の“投機”本であることがわかるはずです.
私の目指す投資は,一時のバブルや暴落に左右されない堅実な長期インデックス運用ですので,そのような「地に足のついた運用法」について記載している良書をご紹介したいと思います.

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ほったらかし投資術(山崎元・水瀬ケンイチ)


最も簡単にインデックス運用の基本を習得できる本です.
実際に購入するべき銘柄(今としては少し古いですが,その点は水瀬氏のブログなどで補完してください)の紹介もあり,これ一冊で運用開始可能です(ただ,自身の許容リスクは実際に運用を開始しないと計れない場合も多いですので,山崎氏の勧める一括投資については,よほどの胆力がない限り,もっと勉強を進めた後の方が良いでしょう).

山崎氏の「超簡単お金の運用術」もありますが,山崎氏の癖が強いので,前述の本の方が良いように思います.また山崎氏の本の内容は楽天証券の同氏のブログのバックナンバーで代用でき,内容もその方が最新です.


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終わりで大きく儲かる「積立投資」(星野泰平)


積立投資の仕組みとメリットをわかりやすく解説した良書です.
経済成長=個人の生産性×人口増加
という公式には強く納得させられ,先進国株式と日本株式のアセットアロケーションを決める上での参考になりました(世界的には人口は増加しており,技術革新も続いているので長期的な成長が見込めるが,日本に限定すると人口減少しているため長期的な成長は不透明).


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敗者のゲーム(チャールズ・エリス)
ウォール街のランダム・ウォーカー(バートン・マルキール)


いずれも言わずと知れた,インデックス投資家のバイブルです.
データの豊富さではウォール街〜が優れますが,読みやすさは敗者の〜の方が優れているように思います.
長期投資はやることが少ないため,初めのうちは細かな株価変動を過度に気にしたり,細かな売買をしてみたくなったり,アクティブファンドや個別株に手を出したくなったりと,様々な誘惑と戦う必要が出てきます(破綻しない程度の金額なら,勉強として無駄ではありませんが..)
このような誘惑や暴落時の不安感から身を守るための「論理武装」として,お守りがわりに持っておくのが良いかと思います.

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積立投資のすべて(星野泰平)


「一括投資」と「積立投資(分割投資)」のどちらが優れているか?という疑問は各所で論じられていますが,これらの投資術は儲けを出す仕組みが大きく異なっており,根本的には比較すること自体がナンセンスなのではないかと思います.
経済成長の勢いをそのまま儲けに転換する「一括投資」に対して,暴落相場をバネに最終的な相場上昇が弱くても利益を出すことができる「積立投資(分割投資)」.「一括投資」の攻め時が上昇相場なら,「積立投資(分割投資)」の攻め時は下降相場.
このように所々正反対の性質を持つ投資法のロジックを,実際のデータや例題を通して丁寧に解説しています.
一括投資派の本と積立投資派の本は,それぞれ一方のメリットのみを強調した内容が多い中,この方は双方のメリット・デメリットを贔屓なく比較しており,積立投資を始める人のみでなく,一括投資を志す方にもためになるものです.
ぜひご一読ください.

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投資賢者の心理学(大江英樹)


投資を始めると,上昇相場で欲を出して追加投資をしたり,下降相場でビビって売却したりといった,冷静に考えると不合理なことをしたくなるものです.
この本を読んでも直接の儲けにはつながりませんが,投資家が陥りやすい心理的な落とし穴について行動心理学の点から解説してあります.
鋼の心を持つ方は良いですが,私のようなチキンスピリットな方には一読を強くお勧めします.

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資産運用のカラクリ 投資と税金篇(安間伸)


なんだよ,このいかがわしいおさんは!」という突っ込みどころ満載の表紙で損しているであろう本です.
複雑な税金制度を理路整然と説明し,「『外貨預金』がなぜ不利なのか?」など,実践的な内容まで踏み込んで解説しています.
税金制度をわかりやすく解説した本には類書があまりなく,投資に関わらず今後の資産運用をする上では必ず役に立つ本です.
出版社に「このいかがわし表紙をなんとかせえ!!」と激しく言いたい...


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