2017年1月25日水曜日

資産形成の三本の矢


資産形成には「可処分所得」「消費/浪費」「貯蓄目標額」の可視化がカギ.


人生で使えるお金は,すでにほとんど決まっている.
そして,「自分の自由になるお金」は驚くほど少ない.
・大卒サラリーマンの「生涯年収」は2億5000万円
・就職してから60歳までの「基本生活費」は1億440万円
・「基本生活費+住宅費+教育費」で1億8900万円
・「自分の自由になるお金」はたったの6100万円

「貯まる人」「殖える人」が当たり前のようにやっている16のマネー習慣より


先日,楽天市場の累積ポイントを確認したところ,就職した当初の年間獲得ポイントは5万程度であり,裏を返せば年額200万円以上(キャンペーンポイントがあるので還元率は数%と想定しています)をクレジットカード決済で支払っていたことになります.
何にそれだけ使っていたのかは,今となっては不明なものも多く,なんとなくお金を使っていたのだと思います(急に収入が入るようになると気が大きくなるものです..).

現在では投資を開始したことで,自身のリスク資産・安全資産・流動資産(一般に生活防衛資金というもの)の内訳を明確に意識するようになり,自身の資金の流れに敏感になったことで使途不明金が劇的に減少しました(投資にはマネーリテラシーを改善する効果もありますね).
現在ではカード決済は月に数万円程度に抑えられています(カード主義ですので,現金はほとんど使いません).

人は意識しないとお金を有意義に使えないため,資産形成にはお金の流れを可視化することが何よりも重要だと考えます.ちゃんと働いていれば,勝手にお金は貯まる」は幻想です.

資産形成には「可処分所得」「消費/浪費」「貯蓄目標額」の可視化がカギになると考えます.

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可処分所得

ご自身の「可処分所得」を明確に認識されているでしょうか?
「給与額」ではありませんよ?

頭の中で「給与額」だけを思い描いて生活していると,キャッシュフローがマイナスになってしまうケースも多いです.

収入が複線化されている方は全体額の把握が難しいです.
単一収入の方も「所得税」「住民税」「固定資産税」「自動車税」「ローン返済」を除いた明確な「可処分所得」を把握している方は少ないのではないでしょうか.

確定申告で最終的に支払う「所得税」と「住民税」,それに「固定資産税」「自動車税」「ローン返済」などを,「総所得額」から引いた分が年間の「可処分所得」と考えて良いかと思います.

「所得税」は課税所得によって5~45%と変動し,速算控除(所得によって税率が変わる部分のギャップを平すもの)も考慮する必要があり計算が複雑です.以下の本に「課税所得」ごとの「所得税+住民税(総合課税)」の累進表があります(例課税所得300万の場合は¥502,500;16.8%).税制の詳細説明もありますので,ご一読をお勧めします.


ここで計算した「可処分所得」をしっかり把握しておいてください.


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消費/浪費

自身の消費/浪費を可視化するのはどうしたら良いでしょうか.

自身が何にお金を使ったのか,それが有意義なものであったのか思い出すのに,私にとっては「楽天やamazon購入履歴の確認」が有効でした.
ウインドショッピング派は部屋の掃除を行って,自分が何を持っているのかを把握するのが有効かと思います.

愛用していたり,思い入れのあるものは有意義な買い物であったと言えます(個々人で何が有意義・浪費かは異なります).

一方,すぐ使わなくなったものや,どこに行ったかわからないものは浪費ですね

履歴を追うことで自分自身の浪費の傾向が自覚され,消費を見直す鍵になるでしょう

また,今後の「消費/浪費」の把握には「MoneyTree」「MoneyForward」などのクレジットカード履歴・銀行履歴を一括管理するソフトの利用をお勧めします.「楽天銀行」をメインにしているのなら「マネーサポート」も良いと思います.
いずれも,PCとスマートフォン両方に対応していますので,簡単に出入金の管理ができるようになりますよ.

なお,お金は使うためにありますので,全ての欲求を潰して仙人になる必要はありません.あくまでも「浪費」を自覚することが目的です.

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貯蓄目標額

何事も目標が不明瞭ではモチベーションがわきません.
歳までに,円の資産を作る」という目標を立ててください(私の当面の目標は50歳までに3000万です).

老後資金を目標にする場合が多いかと思いますので,実際にどの程度必要かどうか試算してみるのが良いでしょう.

老後の必要経費については山崎氏の記事が参考になるかと思います.

「貯蓄目標額」から逆算すれば,年や月に必要な貯蓄額がわかります.


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可視化が終わったら貯めるだけです

「可処分所得」と「貯蓄目標額」が決まったら,後は毎月の貯蓄額を運用に回すだけです.
残った分は「消費/浪費」に回しても問題のないお金ですので,使う際に神経質になる必要はありません(浪費を見直すことで,月々の貯蓄額を上乗せするのが理想ですが).

おすすめは,自動的に給与口座から天引きで貯蓄口座・積立投資に回すよう設定することです.
行動経済学でメンタルアカウンティング(心の会計)といって,天引きで引かれたものは「無かったもの」として認識されるため,使いたいという欲求に邪魔されずにお金を貯められます.

詳細は「投資賢者の心理学」の「サラリーマンはお金持ちになれないという勘違い;給与天引きは最強の資産形成術」をご参照ください.

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今回は自戒の意味も込めて,資産形成の心得について記載しました.



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