2017年4月1日土曜日

究極のほったらかし投資を目指して

毎営業日積立,リバランス積立,eMAXIS slimシリーズについて考えます.
私の投資方針は初めの指針で触れたとおり,「日本株:先進国株:新興国株=15:75:10」を愚直に毎月積立続ける「ほったらかし投資」がモットーになります.

現在の方針でも十分楽ではあるのですが,現在以下のような課題があります.
  • 1ヶ月の中で大きなイベントが続く場合,積立設定日前後の価格変動が気になってしまう.
  • 大きな株高や暴落の際にアセットアロケーションのバランスが崩れ,リバランスが必要になる.
  • インデックスファンドの価格競争が起きているため,信託報酬が安いファンドが出ると気になってしまう.


これらの課題はいずれも数十年という長期投資においてはリターンにほとんど影響を与えないので,特に課題というほどのものではありませんが,投資経験が浅く,雑念が残っている身の上としては結構気になるものです.

先日ネットの海を散歩していた際に,たわら男爵さんの「40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログにその課題の回答に当たる記事がありましたので,感想を交えて紹介したいと思います.

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たわら男爵さんが解決策として提示されているのは「全世界株リバランス積立」というものです.

これは松井証券が行なっている「投信工房」を利用したアイディアです.

①毎営業日積立
松井証券の積立投信の特徴として,「毎営業日積立」があります.現状,毎営業日の積立設定が可能な証券会社はなく,日々の積立額も500円からと手頃です(毎月営業日を22日間とすれば,11000円から可能という計算ですね).

松井証券には<購入・換金手数料なし>ニッセイシリーズ」「たわらノーロードシリーズ」「三井住友・DC日本株式インデックスファンドS」などのおなじみのノーロードで低コストなインデックスファンドが揃っていますので,毎営業日積立でも無駄な手数料の発生はありません.
手数料を無視する限り,毎年一括購入より毎月購入,毎月購入より毎日購入の方がドルコスト平均法の「まあまあ安く買える」という特徴が活きますので,非常に有効な方法かと思います.

この方法であれば,日々のトランプさんのツイッターに気をもむ必要はなくなりそうですね(笑).

②リバランス積立
松井証券が積立方法として特許を出願しているものです.

「リバランス積立」は投資信託を積立する際に、目標ポートフォリオ(目標とする投資信託の組合わせ)の比率に近づける最適な配分で積立します。

とあるとおり,積立時の購入配分を目標ポートフォーリオに近づくように自動的に計算して投資てしてくれるもので,積立間隔が短い場合はアセットアロケーションのバランスが常に保たれているので,リバランスの必要すらなくなってしまうというものです.
これは確かに「ほったらかし」には数歩近づける妙案かと思います.

ただ,男爵さんも指摘されているとおり,この「リバランス積立」が「通常の積立+リバランス」でリターンで勝る,或いは遜色ないかには疑問が出てきます.

今現在のNYダウ一人勝ちのような相場を例にとります.
先進国株式は米国株の影響を受けて,右肩上がりの状態を続けています.
一方,日本株は日経平均19000〜19500程度でもたついている状態です.
この状態で「リバランス積立」を行うと,上昇が遅れている日本株を優先的に購入する方針になってしまいますので,先進国株式の上昇基調を十分に利用できなくなる可能性があります.
通常通りの積立投資を行って,バランスが許容割合を超えた時点で日本株の追加購入や先進国株の売却を行った方が,先進国株成長による利益を享受できる(リバランスボーナス)を得られる可能性が出てきます.

「リバランス積立」が「通常の積立+リバランス」どちらの投資法が有効かについてはまだはっきりとした結論が出ておらず,実際に実験をしている男爵さんのレポートを期待しようと思います.
ただ,どちらの方法をとったとしても,長期投資においては大きなリターンの差は生まれないと思いますので,アセットアロケーションバランスに一切気を配らなくても良いというメリットのために「リバランス積立」は有効な商品だと思います.

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③eMAIXS slimシリーズ

最近インデックス投資家の間で話題のファンドです.

多くの方に資産形成ツールとして、よりお役立ていただけるよう、
イーマクシス スリムは、業界最低水準*の運用コスト(注)を将来にわたってめざします。


という,過去に例のない紹介文があり,とてもワクワクしますね.
もしこれが実現されれば,低コストファンドの出現に注意を払う必要がなくなり,「究極のほったらかし」に近づけるのではないでしょうか.

現状はいずれのファンドも同率1位の状態で,「たわらノーロードシリーズ」から急いで乗り換える必要はなさそうですが,どの程度のレスポンスで信託報酬を下げてくるのか,今後注目のファンドです.

気になるのは以下の一文ですが...
*他社類似ファンドが信託報酬率の引き下げを行った場合、業界最低水準ではない期間が存在する旨、ご留意ください。他社類似ファンドが信託報酬率の引き下げを行った場合、当ファンドの信託報酬率も引き下げ、業界最低水準にすることをめざしますが、これを実現することを保証するものではありません。

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現状では松井証券のラインナップにeMAXIS slimはありませんので,「毎営業日積立+リバランス積立+eMAXIS slim」という「究極のほったらかし」はまだ実現できませんが,今後の動向には注意していきたいですね.


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